前回ラストで争いを止めに入ったアリアと、そして恐らくは光牙との相乗効果で出現した闇。
当時、現場にはエデンもいましたが、闇の発生に彼は多分関係ないでしょう。
まずはその中で目覚めたのは、闇の発生とは全く関係ない場所にいたユナ、龍峰、栄斗の三人でした。
完全にとばっちりです。
しかも今回、OPによれば元凶の光牙達は出てこない模様。22話以来ですが、いいと思います。
主人公が何週間か出てこなくてもストーリーが成り立つ。これこそが聖闘士星矢!
……だと勝手に思ってるんですが。
それにしても蒼摩とユナは一緒にいたのに、別れてしまいましたね。そこのところが少し不思議でした。
どうやらここが闇の遺跡のようですが、それにしたって入り込んだ者が抱えるトラウマを見せる幻覚作用があるのというのはともかく、一緒にいた人間を引き離す作用まであるというのは解せません。
いくら私が納得いかなくとも、怪しげな扉の前にたどり着いてしまう3人。
その扉の上にはご丁寧にも文字が。どうやらギリシャ語で『悔恨』『贖罪』と書かれていたようですが、我が家のIMEでは開梱と食材と変換されてしまうので、食料入りのダンボールでも送られてきたような心地になりました。季節的にジャガイモとか入ってそうです(^q^)
それはさておき、なんの躊躇もなくその怪しさ大爆発な扉に簡単に手をかけてしまうというのは、勇気ではなく迂闊なだけのようにも感じます。
そして案の定始まった過去の後悔劇場。
それぞれシチュエーションも違えば立ち位置も違う。なかなか面白い対比での見せ方だったと思います。
ユナ → まるでタイムスリップでもしてしまったかのような状況
龍峰 → 自身が介入できない過去の幻影をただ見せつけられる
栄斗 → 忍者の自分に幻術は効かないと切り捨ててみたものの、あっさりと過去の古傷を抉ってやると宣言される
この中で一番無理やり感が漂っていたのはユナかな。
紛争でなにもかもが戦火に飲まれてなくなってしまった過去というのは以前にも触れられていました。
自分一人が生き残ってしまったことに対して後ろめたさを持ってしまったというのはわからないでもありませんが、それは『悔恨』ではないでしょう。
自分に力があれば今度こそ大切なものを守れるかもしれないから、と聖闘士を目指したということだったはずです。
見せられているものが過ぎてしまった過去であると認識し、誰かに見せられた幻覚かもと疑いを持っているにもかかわらず、聖闘士である今の自分ならどうにかできるかも、などと思ってしまうのもまた『贖罪』でもなんでもない。
過去をなかったことにできたら、という願望でしかありません。
というわけでユナのストーリーはこじつけ感がひどかったように思います。
次に栄斗。彼の悔恨と贖罪については明確でわかりやすいものでした。
22話でやったばかりなのでまだ記憶に新しい、兄者こと芳臣さんから直接詰られました。
彼を見捨てて逃げてしまったことを悔やんでいるのことは以前の話で十分に語られています。
でも当の芳臣さんからそのことについて恨まれる云われはないんですよね。
どうだったかと気になって22話を見返してみましたら、芳臣さんははっきり言ってました。
「お前は逃げろ」「達者でな、栄斗」
なので、幻影の芳臣は芳臣でなく、栄斗自身の心の闇であることがわかりやすく説明されています。
確かにこれは『悔恨』に当たるでしょう。
「その聖衣、お前に着る資格はない」と言われちゃってますが、これもまた芳臣の遺体から勝手にクロストーンをもらっていってしまったことへの、栄斗なりの悔恨です。
22話でつい突っ込んでしまった辺りを、栄斗自身はちゃんとわかっていたんですねw
しかも勝手に聖衣をまとってしまったことに対して、栄斗自身はきちんと筋の通った決意をしていたようです。
「この聖衣に誓った。仲間の危機の時に背を向けない男になると」
もう二度と、見捨てて逃げたりしない。
それが栄斗の『贖罪』というなら、成る程確かに一本筋が通っています。
このまとめ方は見事でした。
最後に龍峰。
彼の悔恨は、なかなかナイーブな問題を孕んでいましたね。
幼い頃に育みきれなかった友情。互いの『思い』や『思いやり』がものの見事にすれ違ってしまっているあたり、問題としてはかなり現実的な印象を受けました。
思いやりが相手をかえって傷つけてしまった。そういう事例って、現実世界にも多々あるわけで。
でもそういうのって大抵、片方だけが一概に悪いわけではないですよね。
この場合は遠慮してもらっていたことに気付けず、勝手に恨みを増幅させてしまったミラポロスにも問題はあります。
その結果として勝手に飛び出していって、どうやら無念の死を遂げたようですが、その辺は自業自得。
龍峰がいつまでも思い悩まなければならないことのようにはあまり思えませんが、まあ、こういう性格の人というのはいつまでも気に病むんだろうなとも思います。
結果として随分と前の話の、光牙の為に全力で戦いを挑んでみせた、という辺りに繋げたというのは贖罪というのとは少し違うような気もしますが、非常にうまい掘り起こし方だと感服しました。
あの時はちょっと無理矢理っぽかった龍峰の行動にようやく合点がいきましたしね。
難を言えば、少しばかり間を明けすぎですけども。
そしてラスト。
扉を開けたその先にいたのは――さかさまメデューサ??
幻影芳臣さんが、ここは『闇の遺跡・エレボス』だといっていたのでググってみましたが、メデューサとは全く関係なさそうな情報しか出てきませんでした。
でもなんだか気になるワードがありました。
エレボスが幽冥で、息子のアイテールが澄み渡った輝く大気。
この二者は地下の暗黒と上天の光明の表裏一体を表している、と。
光と闇ってことですよね?
アリア、光牙とどうしても関連付けて考えたくなりますが、まだちょっとわからないんですよね。
アリアと光牙で対なのか、それとも光牙自身が光と闇を併せ持っているのか。
アイキャッチでは光牙のクロストーンが2色ぶんあるので、光牙自身が光と闇の二面を持っているとも取れるんですけど、ではアリアと光牙の関係は?とも思うので、どう捉えるべきなのかいまだにわからないでいます。
まあそのうち嫌でもわかるんでしょうけどw
次回予告。
やっと蒼摩とソニアの因縁に何らかの決着がつくのか!?
炎の遺跡でなにがしかの結論が得られると思っていたので、この二者に関しては正直引き伸ばしすぎのような気もしています。
そして幼アリアの涙を受けて枯れるスズラン。
いつぞやのシシガミ様っぷりとは逆の描写です。
てことはアリアもまた光と闇の両面を併せ持っている?
……まあ、考えても仕方ないか(´・ω・`)
謎が解き明かされるのを楽しみに次週を待つことにしましょう。
最後になりましたが、週末の本館更新後に拍手をくださったお客様、どうもありがとうございました!
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